インタビュー

case02 つらい時期を乗り越え、起業の道へ

Interviewee

林 沙南

Lily’S ~organic cotton~ 代表

自身の辛い経験から生まれたオーガニックコットンブランド”Lily’S”を立ち上げ、代表をつとめる。須澤氏と初めて会ったのは一番苦しかった就職活動前の学生時代。
Lily’S > http://lilysorganic.shop-pro.jp/

エントリーシート、本当に苦労しました。

須澤:なぜオーガニックコットンで起業することに?
学生時代には外に出るのもイヤになるくらいアトピーがひどくて、服を着るだけでも皮膚にこすれて痛いし、生活するだけで苦しかった。でもアトピーって言うと割と一般的に知られた病名だし、本当に辛くてもなかなか伝わらなくて。それから少しづつ体に良いものを取り入れることを続けるうちに、オーガニックコットンにたどり着き、これは!と思いました。

須澤:起業の前に就活してましたよね?
しました。百貨店やブライダル関係に行きたくて相当受けたけどほとんどエントリーシートで駄目でした。説明会とか行くとプレゼンする社員さんもキラキラしてて、この会社行きたい!と思っても結果が伴わず、しんどいな・・と思ってました。でも全然ムダなことをしたとは思っていません。人に何かを伝えることの難しさや、大変なことがあっても耐えることを経験できたので。

人に何かを伝える難しさ

須澤:学生時代にもっと身につけた方が良かったなと思うことは?
そうですね、、コミュニケーション能力!エントリーシートとよく似てて「人に何かを伝えること」で苦労するタイプかもしれません。病気のせいもあったかもしれないけど、団体行動とかチームで何かを達成するとかも苦手です。

須澤:コミュニケーションで一番大切なのは”伝えようとする気持ち”。だから大丈夫ですよ、でも「聞く力」は必要ですね。学生時代の経験でいま役に立っていることは?
スーパーの中にあったケーキ屋さんでアルバイトしてたんですが、その時の店長さんが本当に気さくな人でおもてなし精神が強くて、ケーキを買わないお客さんでもたくさん立ち寄るようなお店でした。

須澤:その店長さんに惹かれた理由は?
ケーキは美味しかったし商品が良いのは前提なんですが、人が集まるってことはプラスαが必要で、店長の人柄は間違いなくそのプラス要素になっていました。親切心を持って気さくに誰とでも接することが出来るって素直に尊敬できた。今の自分の仕事で考えると、オーガニックコットン商品以外の何かプラスαを出そうと試みています。

「何か違う日々」でも、起業したい気持ちがあった

須澤:起業したいが先?オーガニックコットンを広めたいが先?
起業したい、が先かな。実はカフェやバーの経営スクールにも通ってみたけど、「何か違う」と言ってはダラダラしてました。その時くらいの3年間で脱ステロイド治療の影響もあってアトピーもひどくなり外出意欲も減って、これではダメだと色々考えオーガニックコットンで起業しようと思うようになりました。

須澤:イメージしてた”働くこと”って、想像通り?
どうでしょう、最初は一人で取り組むことが多かったんですが、何かを業者さんに発注したり最近は誰かにお願いをするような仕事が増えてきています。少し前に、新商品のパッケージ作成のため、自分のイメージする仕上がりをしっかり伝えたつもりだったのに、出来上がりが届いて全然違うイメージ!にびっくりしました。イメージの違う仕上がりもそうだし、自分の伝える力の無さにもただただ残念で。。

須澤:目に見えるものでイメージ共有したかったですね。普段から目に入る綺麗に感じるものに対して、もう少しアンテナを高くしておくと人にイメージを伝えたい時役立つかもしれません。

女性が働くこと、人を採用するということ。

須澤:日本社会で女性が働くうえで課題、問題は?
サービス残業してる友人も多くて、問題だと思う。ブライダル業界で働いている友人は、自分自身の結婚や出産に全く縁が無いうえ仕事ばかりしてるのが悩みだ、と。

須澤:「ワークシェア」が広まりつつあるけど仕事をシェアすることは出来ますか?
できないと思う。出来るイメージが湧かない。
須澤:そのままの考え方でいったら、結婚して子どもが出来たりすると難しくなるのでは?
そうかもしれない。だけど今は全部自分でやりたいし、安心して人に任せたり頼むことが苦手。
須澤:たくさん売れたときどうする?
人を雇うと思います。
須澤:どんな人を採用したい?
形式面接ではなくてフランクな場面で会話するなど、普段の様子を見てから決めたい。
須澤:面接という場面だけでも人の本質のかけらは結構見えるものですよ。そして、本当の問題は採用後の付き合い方、信頼関係の構築です。今の仕事がもっと大きくなった時、トップの仕事はそこが重要になりそうですね。

須澤:今の仕事は好きですか?
好きだから休みが無くても全然苦ではないし、楽しい。
須澤:どんな生き方したい?どうありたい?
今のまま好きなことしていたい。でも、信頼される人でありたい。
須澤:信頼されるには何が必要そう?
コミュニケーション能力。。(笑)よっぽど足りてないのか、やっぱりそこに戻るみたいです。
須澤:いやいやこっちも少し誘導したかな(笑)

須澤:何のために働きますか?
生きがい。自分という存在が、社会の中で何かしら役立っていると実感したい。
須澤:そうなると、好きなことばかりでは難しいかもですね。「好きだと思える」対象が増えていくと良いですね。

須澤:最後に、就活生に何か送る言葉はありますか?
妥協しないでほしい。就活してるとまわりの勢いとか目に見えない流れとか不安になったりするけれど、本当に何がしたいのか?立ち止まって考えて追求することが大切だと思います。

メッセージ

彼女は学生時代から、ひどいアトピー性皮膚炎に悩まされていました。学生生活では強いステロイド剤を使用して症状を抑えていました。でも、ステロイドではアトピーは治らないと薬の限界を感じ、自然治癒力を引き出すことに取り組み、見事に克服しました。そんな彼女は、肌に優しいほんものの肌着やタオルなどを必要とする人々のために、オーガニックコットンの会社を起業しました。自ら今治まで赴き、交渉し、独自のブランドを立ち上げ、代表として活躍しています。自らの体験から、人のために役立つ起業家、一つの選択肢です。